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ストーリー

2021年9月15日

KSTNの三浦顧問と秋田教授がOECD E2030のテーマ別ワーキンググループ5で発表しました

2021年9月16日(木)14:00-15:00 CEST(21:00-22:30 JST)、OECD Education and Skills 2030のテーマ別ワーキンググループ(TWG)5の第4回会議「Engagement Strategy + Implementation(参画の戦略と実践)」がオンラインで開催されました。この国際会議には、KSTNの顧問で福島大学の三浦浩喜学長が福島大学で制作されたラーニング・コンパス3D 2030について発表し、KSTNの研究総括で学習院大学の秋田喜代美教授が、AIを搭載した翻訳アプリDeep Lを使った翻訳の取り組みについて発表しました。


三浦学長は、ご自分がもともと専門としていた立体造形のスキルを活かし、3Dプリンタを駆使してOECDラーニング・コンパス 2030を立体的に制作しました。ウェルビーイングなどについてディスカッションするとき、若い人たちが積極的に自分の意見を述べるようにするためには、このようなツールが有効な場合があることが述べられました。


この他にも、以前に制作されたテーマトーク・カード(ウェルビーイングに関連する50のキーワードから一つを選択し、自分の経験を言語化するツール)やOECDのより良い暮らし指標(Better Life Index)を花びらに象ったウェルビーイングの花のアートについても紹介されました。これらの作品は手作りなので大量生産はできないが、クラウド・ファンディングを通して共有したいとお話されました。


三浦学長のお話を受け、ある会議出席者からは、「ウェルビーイングに向けて教育を改革する上で、概念だけでなく身体も含めた全人的な発達を促すのは、生徒たちが学校や仕事だけでなく人生において成功するために必要だと思うので、このようなツールはとても良いと思います。」というコメントを頂き、立体的にE2030を表現したことに共感が寄せられました。


次に、秋田教授の発表では、OECD発行のカリキュラム分析報告書を、DeepLというAIを搭載した翻訳アプリを使い和訳していることがプレゼンされました。翻訳アプリを使うことで、一人でも簡単に素早く、大量の文書を翻訳することができること、またそうすることで翻訳した内容を、様々なステークホルダーの方々との対話を通じて確認することに使えるというメリットをご説明されました。特に、学校の先生方から日本の学校現場で通じる和訳になっているかをご確認頂いていること、報告書の執筆者としてOECD E2030プロジェクトマネージャーの田熊シニア政策アナリストからOECDの各文章の意図や背景、経緯をお話頂けたこと、そしてKSTNで活動している生徒・学生から12のデザイン原則を自分たちの学習経験と関連づけて話してもらえたことが多くの実りをもたらしたと説明されました。


秋田教授の話を受けて、会議司会者のKerstinは、「去年ラーニングコンパスの文書をドイツ語の翻訳をするときに同じように苦労をしたので、まずAIで翻訳をしてから生徒や他のステークホルダーを巻き込むのは良いアプローチですし参考にしたい」と話されました。また、会議出席者で生徒のCelinaからは、「翻訳のプロセスに生徒が参画することで、翻訳した内容が生徒の経験を反映し、また生徒が理解できる翻訳が完成したことは素晴らしい」との感想を頂きました。


KSTNとしては、引き続き日本の教育関係者にOECDのE2030の理念を広く知って頂く活動を行っていくとともに、海外にも取り組みの工夫やプロセスを発信していきたいと思っています。




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